底から湧き上がる

 そのままで、って言ったって、そのままだらだらしていたら何も先に進まないではないか、と思うでしょう。そうです。その通り。

 ですが大丈夫。ずっとだらだらはできないようになっているのです。

 子供が小学生の頃のこと。4月にPTAの役を決めるのですが、もちろん何もやりたくないわけです。おとなしくしていようと決めていましたが、ある瞬間、どうしてもこれはやらなくてはいけない、と体の底の方から考えてもいないような思いが湧き上がりました。自分は本当に嫌なのに、どうしても挙げなくてはならないという思いからいやいや手を挙げたのです。というより見えない誰かが腕を持ち上げているかのようでした。

 それ以来、息子が高校を卒業するまでPTAの役をたくさん引き受けました。それが私にとってどういう意味があったのかはわかりませんが、避けて過ごすよりもたいへんな勉強をさせてもらったように思います。

 そういえば、イラストレーターになろうと思ったのもある時底から湧き上がりましたし。話が長くなるので割愛しますが、本当にイラストレーターになろうと思ったのは二十歳くらいのときでした。

 いろいろな大きい決断はある時ふと底から湧き上がるのです。まるで、がまんしていたけれど、無理、トイレに行かなくてはならない、というような感じです。あるいは、お風呂にずっと浸かっていたけれど急にざぱーっと出る、という感じに似ています。

 おそらく、あらかじめそういう風にするという何か決まっているのではないかという気がします。たとえやりたくなくてもやることになっている、というような。だから、このままでいいのだろうか、これでよかったのだろうか、という問いには「それでいい」という答えになるのではないか、と思うのです。


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