それを見た、ということとは

 それは20歳位の時。家から駅に向かうために友人と歩いているとそれは当たり前のように民家の上の空にありました。どの位離れていたのか…でもはっきりと見えました。

 あまりにも普通に浮かんでいたのでそれが鯉のぼりのポールの先の飾りだと信じたくらいです。でもそれは飾りにしては大きすぎ、だいたいポールそのものもありませんでした。

 美しい楕円形のつや消しシルバーのそれは太陽に当たり、くすんだ反射をしているのでした。しばらく私はそれを見続けました。突然普通とは違いすぎることが起こるとどうして一瞬思考が止まってしまうのでしょうか。

「UFOだ!」と思いました。隣の友人にあそこにUFOが、と話しかけ、また元の場所に目をやりましたが、浮かんでいたはずのそれは消えていました。

 確かに私は見たのです。間違いありません。それを見た、ということ。これはどういうことか、今なんとなくわかるのです。そういう風にわかるようになったことを私はこれから書きたいのです。


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